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細網異形成症(AK2欠損症)

【監修】
名古屋大学
小島 勢二先生

原理

多系統の細胞の分化障害により多系統、多臓器に発症することを特色とする難病である。各系統細胞の分化過程でアポトーシスに陥ることが予想されているが、詳細は不明である。典型例では、Tリンパ球分化障害、骨髄系細胞分化障害、感音性難聴を呈する。その他、多臓器の障害の報告もあるが、実態が明らかでない。
また、非典型例では、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、骨髄不全との鑑別診断が困難である。
また、単独の感音性難聴患者の中に見逃されていると考えられる。原因不明であるが、一部の症例でミトコンドリアのエネルギー代謝酵素であるadenylate kinase 2(AK2)が原因遺伝子であることが報告された。しかし、その遺伝子異常と発症機序の関連は不明である。

特徴・症状

細網異形成症は重症複合型免疫不全症の中で、最も重症のタイプである。末梢血における顆粒球およびリンパ球の欠如、胸腺の低形成、二次リンパ器官の欠如および液性および細胞性免疫の機能不全を特徴とし、その結果、生後数日以内に致死的な敗血症に陥る。骨髄では顆粒球は前骨髄球レベルで成熟停止像を呈するが、赤芽球系、巨核球系は正常である。
その他、低γ-グロブリン血症および感音性難聴を合併し、悪性リンパ腫など悪性腫瘍を高頻度に発症することが知られている。

診断

末梢血における好中球およびリンパ球数の減少。AK2遺伝子変異の同定。

治療法

造血幹細胞移植が治癒可能な治療法である。支持療法としては、感染症コントロールとしての抗生剤、抗ウイルス剤および抗真菌剤投与、G-CSF投与およびγ-グロブリン補充などがあげられる。

最新情報(今後の動向)

細網異形成症の診断と治療に関する調査研究班が立ち上がり、研究が進められている。AK2遺伝子正常の細網異形成症については、家系分析による原因遺伝子同定が進行中である。

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