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分類不能型免疫不全症(CVID)-Part1-

【監修】
富山大学
金兼 弘和先生

原理

分類不能型免疫不全症(common variable immunodeficiency; CVID)は低ガンマグロブリンのため細菌感染症を繰り返す原発性免疫不全症のひとつである。
性差は認められず、20代~40代で診断されることが多いが、小児や高齢者で診断されることもある。
抗体欠乏を主とする原発性免疫不全症の中では最も多く、すべての血清免疫グロブリンは著減するが、一部にはIgM値が正常のものもある。B細胞数は基本的には正常であるが、一部には減少するものもある。
ほとんどは原因不明であるが、一部にはICOS欠損症、TACI欠損症、CD19欠損症、BAFFレセプター欠損症、CD20欠損症、CD81欠損症など原因が明らかとなっているものもある。

特徴・症状

CVIDはX連鎖無ガンマグロブリン血症(X-linked agammaglobulinemia; XLA)と同じく反復する細菌感染症を主徴とするが、XLAに比べると重症感染症は比較的少ない。またXLAと異なり、脾腫、リンパ節腫脹、肉芽腫性病変、自己免疫疾患、悪性腫瘍をときどき合併する。

診断

CVIDではすべての免疫グロブリン値が著減するが、末梢血Bリンパ球数はリンパ球の1%以上である。末梢血Bリンパ球はナイーブB細胞とメモリーB細胞に分けることができ、臍帯血B細胞はほとんどナイーブB細胞で占められるが、健常者では一部がメモリーB細胞へと分化している。典型的なCVID患者ではメモリーB細胞が欠如している。
CVIDは原因遺伝子が特定されることは少ない。染色体異常に合併するものや抗腫瘍薬投与後などの続発性免疫不全症をまず除外し、XLAその他の抗体産生不全症に属する原発性免疫不全症を鑑別すべきである。

治療法

基本的治療はXLAと同じく免疫グロブリン定期補充療法である。200~600mg/kgの免疫グロブリンを3~4週間毎に投与し、IgGトラフ値を少なくとも500mg/dl以上に保つようにする。
海外では在宅での皮下注療法や高濃度(10%)製剤による補充療法も行われており、患者QOLの向上が得られている。わが国においても在宅皮下注療法の治験が始まっており、近い将来に利用可能になると思われる。
感染症に対する適切な抗菌薬投与、自己免疫疾患や悪性腫瘍に対するフォローと適切な治療も欠かせない。

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