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高IgM症候群

【監修】
防衛医科大学校
野々山 恵章先生

対象疾患の原理

B細胞の内因性のクラススイッチ障害が本疾患の病態である。常染色体劣性遺伝である。原因遺伝子としてはAID(activation-induced cytidine deaminase)が代表的であるが、UNGによる場合もある。

特徴・症状

低ガンマグロブリン血症の症状

抗体産生不全による症状が見られる。症候としては、抗体(IgG、IgA)欠乏による易感染性である。すなわち、化膿菌感染の重症化がみられ、上気道、下気道感染、膿皮症、中耳炎、化膿性リンパ節炎、大腸菌性腸炎、敗血症などに反復罹患する。親和性が高く、中和抗体、オプソニン抗体のほとんどが属する IgG や、局所免疫で重要な働きをしているIgAが欠如しているため、IgMだけでは代償できず、IgMが正常ないし高値であっても、感染防御に破綻をきたすためと考えられる。
AID欠損症では、IgMが非常に高値を取る事が特徴的である。感染を繰り返していなくてもIgMは高値になる。
また、扁桃肥大、リンパ節腫大も起きる。

診断

AIDの遺伝子解析を行う。

治療法

ガンマグロブリン定期補充

静注用ガンマグロブリンを3-4週に一回、トラフレベル(最低値)を少なくとも500を保つように投与する。
液性免疫の異常が主体で、細胞性免疫の異常は通常は伴わないので、XLAと同様の治療を行う。バクタの予防内服、マクロライド少量長期療法を行う場合もある。

最新情報・今後の動向

AID、UNG正常のB細胞の内因性のクラススイッチ障害による高IgM症候群の存在が知られているが、原因遺伝子は未だ不明である。

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